ノノノート
コロナウィルス編
桜の散る頃です。
ノノはマスクをして西早稲田にあるお気に入りの本屋まで歩いて行きます。
ノノの前にスーツとハットとサングラスをバチッと決めた紳士が一人、車椅子をグイグイ漕いで進んでいます。
みんな覚悟を決めて街へ出ているようです。
人生ってこんなにもドキドキするものだったかと、久しぶりに外を散歩したノノは思うのでした。当たり前のことが息も出来ぬほどに輝き出してくる。非日常の中で見る日常はほんとうに極上。ノノは少しクラクラするような気分で街を歩きます。
中年の男がニコニコ顔で、老いた母の手をとりキラキラと道を横切って行きます。男はもう片方の手に小さな黄色の花の咲く、小枝を軽く握っていて、それは一瞬ですが美しい景色でした。
神田川に架かる橋の上で人々は、桜が風に散る姿を愛おしそうに眺めています。
川は無数の花びらをすーっと流れてにのせて運んでいて。それはなんだか宇宙の指のようにも見えるのでした。当たり前の日常と宇宙の営みが響き合う、繊細な時の中を僕は歩いているのかも、そうノノは想ったのでした。
ノノはマスクをして西早稲田にあるお気に入りの本屋まで歩いて行きます。
ノノの前にスーツとハットとサングラスをバチッと決めた紳士が一人、車椅子をグイグイ漕いで進んでいます。
みんな覚悟を決めて街へ出ているようです。
人生ってこんなにもドキドキするものだったかと、久しぶりに外を散歩したノノは思うのでした。当たり前のことが息も出来ぬほどに輝き出してくる。非日常の中で見る日常はほんとうに極上。ノノは少しクラクラするような気分で街を歩きます。
中年の男がニコニコ顔で、老いた母の手をとりキラキラと道を横切って行きます。男はもう片方の手に小さな黄色の花の咲く、小枝を軽く握っていて、それは一瞬ですが美しい景色でした。
神田川に架かる橋の上で人々は、桜が風に散る姿を愛おしそうに眺めています。
川は無数の花びらをすーっと流れてにのせて運んでいて。それはなんだか宇宙の指のようにも見えるのでした。当たり前の日常と宇宙の営みが響き合う、繊細な時の中を僕は歩いているのかも、そうノノは想ったのでした。