川辺トポロス
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  川辺トポロス

2019年10月18日

『 どこから来たの?』


台風が去った翌日は晴れだった。気温は30度近くまで上がり、1日だけ夏が戻ってきたかのような、澄んだ光がそそいでる午後。ニュースには溢れかえった多摩川の水や泥にまみれた世田谷の道が映し出されていて、素直に光や陽射しを喜べない自分もいた。東京3割が水没するといった大袈裟な記事もネットには踊っていて、おいおいデマだろ?とか思いながらも、気持ちは重くなっていたから、やっぱりポカポカとした空気に触れ、僕は何処かほっとしていた。


働いている職場の西側は緑地になっている。午後3時の巡回のためにその緑地を歩いていると、遠くの方で2本の虫網がゆらゆらと揺れている。小学生の男の子とその妹が虫を追って駆け回っているのだった。僕自身、夏になるといつも、虫網と虫かごを親に手渡され、同じような景色の中を駆け廻っていたものだから、二人の姿にココロがふわぁ〜っとなって、なんだかエモし、なんて呟きつつ、ゆっくりと歩いて近づき、男の子に「こんにちは」と挨拶をした。男の子は僕の横を通り過ぎながら、「こんにちは」と澄ました顔で言った。妹の方は逆に人懐っこそうな感じで、トットットっと近づいて来て、こんにちはと言った。


妹を振り返って見つめるお兄ちゃんと僕と妹の間になんとなく輪が出来たので、「今日は台風で木の枝が一杯落っこっちゃってるから、扉はぜんぶしまってるのね、家に帰る時は、正門、あっちから出てね〜!」とぼくが言うと、男の子の方は、「わかりました」と真面目な調子で応えた。妹は、ぼくをまじまじと見つめていた。仕事柄、飛行機のパーサーに見えないこともないような、意外とフォーマルな格好をしていたのだけれど、その全身をまじまじと見ていた彼女は、一呼吸おいて、「どこから来たの?」と尋ねた。


「どこから来たの?」なんて、こんな素直に、前置きもなくストレートに、全身全霊で聞かれたのは、もう思い出せないくらい久しぶりのことだったから、なんだかちょとドキドキして、心の奥のベースコードがビ〜ンと響いた。


彼女の声は、宇宙的というか、神話的というか、根源的なところに触れてくる感じで、とっても近くで喋りかけられているように聴こえた。


彼女が「どこから来たの?」と声に出した一瞬だけ、草原に佇んでいた子供時代の自分がチラリとそこに見えた。そしてその一瞬だけ、あの頃の時間と繋がっているような気もした。


なんで、こんなことが起こるのだろう?
​

台風一過の晴天の午後に、僕はそんな不思議に触れていました。