川辺トポロス
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  川辺トポロス

2016年11月16日

『キッドトルコの話』


ある夕暮れ、駅裏の道を歩いていると、キッドトルコとその仲間
たちに絡まれた。アチャ〜、オチョ〜、フリャッ!フリャッ!


こういう場合、めんどくさいので、大抵ちょいと微笑みを浮かべ通り過ぎるのだが、その日心がささくれてたのか、あるいは何処か日常に飽きていたのか、立ち止まった。
​

キッドトルコは近づいて、「ヘイ、ブルースリー。俺と勝負しろ!」と来る。どうしたものか? 直感任せに、「オーケー、じゃあかかって来い!」と言って、僕もカンフー風のポーズをとる。こういう大人は予想外だろ?へっへっへっ。


暫く目があっていたが、キッドトルコは「冗談だよ。」と言って構えを解いた。「そうか冗談だったか、わからなかった。」

​
やれやれ危ないところだ。ほんと36にもなってティーンエイジャーとストリートファイトしてる場合ではない。


「俺に金をくれねーか?」


寝ぼけたことを次から次に言う輩だ。ひと難去ってもうひと難。


「僕が君にお金をあげなきゃいけないの?理由を言ってよ。」

​
若者という生き物はけっこう真面目なので、こういう正論が意外に通ずる。大人になると、もう正論は通じん。大人の強盗にこんなことを言い返したら撃たれてしまう。あ、話逸れた、戻す。


「俺の両親は別れて、父親が家にいない。母親はヒステリーを起こしてすぐ俺に暴力を振う。見ろよ、この傷を」そう言って、首のあたりの大きなアザを見せる。「こりゃ、クソだぜ。」

​
どう返したものかと思ったが、プライベートを教えてもらったし、気持ちも伝わってきたので、こっちもちゃんと返そうと思った。


「君、それはシャイゼだよ。本当にクソだ。君のお母さん、クソだなー」と言った。僕なりに心を込めて、クソだクソだと繰り返していると、キッドトルコが、

​
 「お前は、俺のブラザーだ。」

​
と言った。コロッコロ変わる。こいつはきっとヤンチャだが根はひとなつっこいやつだ。完全に信用出来るタイプではないけど。僕はキッドトルコを好きになった。最初に立ち止まった時、半分うんざりしてわからなかったが、キッドトルコはかわいい。


お金あげてもいいかなぁとこっちは思い始めたが、その頃にはキッドトルコも「俺には、東京出身のブラザーがいる。凄いだろ。」と楽しそうに友人達へ自慢してたので、止めといた。粋じゃないし。

​
「じゃあな、兄弟また会おう。」
「またな。兄弟、頑張れよ。」