夕暮れRADIO stream
vol.1
(それぞれの脳内スピーカーで再生ください)
夜明けのひらめきを夕暮れ時につたえる Personal Radio
夕暮れRADIO STREAM の時間です。
はじめまして、川辺トポロスです。
夕暮れ時って闇と光が混ざって、溶け合う時間ですよね。マジックアワーなんて呼ばれたりしますけれど、だんだんと空気が青く沈んで、物の輪郭が溶けだしてゆく、ぼやけてくる、不思議な時間です。
このラジオは時々、そんな夕暮れ時にぽっと配信されます。特に決まった曜日とか日付に配信されるわけではなくて、気まぐれにぽーんぽーんと配信していきます。
出来れば夕暮れ時に耳を傾けて頂ければうれしいのですが、夜に聴いてくださっても構いません。外がだんだんと暗くなって気持ちが内側へと傾いていく、ちょっぴり内向的な時間にこころのチューニングを合わせて頂ければ幸いです。
夕暮れRADIO STREAMはPersonal Radioです。
イメージとしてはそれぞれがHeadphoneをして自分のために聴いているという感じで、仮に100人の人が聴いていたとしても、一対一が惑星みたいにそれぞれバラバラに浮かんでいるイメージです。
わたしとあなた
一番シンプルで面白い宇宙だとわたしは思います。
♪
今日ははじめての放送なので、はじめての記憶、つまりわたしの一番古い記憶についてお話ししようと思います。
季節は夏です。
夏の昼下がり。
私は父と一緒に並んで座っています。
ふたりとも気がそぞろで、父が何処かから買ってきたアイスをわたしは手に持っています。
わたしの手にしているのは氷アイスで、父はコーンに入っているアイスクリームを食べています。アイスクリームの食べ方って人それぞれ違っていて、わたしはそれをチラッと観察します。そしてわたしは受け取ったアイスを食べながら時々窓の外を眺めています。
暫くすると私たちの名前を呼ぶ女性の声が廊下に響いていました。ふと気づき見上げると白衣を着た看護師さんが廊下に立っています。わたしと父は生まれたばかりの赤ん坊を見るために席を立ちます。その時廊下には光が差し込んでいます。
これがわたしの最初の記憶です。
それは弟の生まれた日に父とアイスを食べている記憶です。ずっと一緒にいた母と初めて離ればなれになって不安だった私を父が気づかい、アイスを買い与えてくれたらしいんですが、わたしはそういうことはいっさい覚えていません。覚えているのは、父と一緒にアイスを食べていたこと、窓の外を見下ろすように眺めていたこと、看護師さんに名前を呼ばれたこと、そして弟がうまれたこと。こういうことを断片的にきれぎれの記憶の映像と音で覚えています。
あなたの初めての記憶は何ですか?
♪
稀に母の体内にいた時のことを記憶している子どもがいるらしいです。ほんとか嘘かわからないようなぼんやりとした昔の記憶。最初の記憶を思い起こすことは自分の物語の故郷を久々に訪ねてみるみたいなことなのかもしれません。
みなさんも思い出しては、いかがでしょうか?
夕暮れ RADIO STREAM それではまた今度、さようなら