2018年3月16日
『昇るエスカレーターの上でタップダンス』
今日の朝、永田町の駅のプラットフォームに降り立ち、読んでいた吉本隆明さんの『詩の力』という本を閉じて、エスカレーターに乗ったとたん、足元でスタタタンッ、と音が鳴ったので前を見ると、黒のロングコートを着て、両肩からピンクと黒のバッグを提げた女性が、目の前でタップダンスをしていた。
永田町駅の国会議事堂方面へ昇るエスカレーターは、だいたい1分ちょっとかかるくらいだと思うのだが、その女性は、乗っている間ずっとタップを続けた。
最初は、ちょっと神経質な感じの音だな、と感じたけれど、だんだんと彼女が集中してゆくのが雰囲気から感じられて、眺めているうちに、この人ちょっとカッコイイな、と思った。
パリのメトロならこういうシーンに出くわすこともあるだろうが、東京の、まさか永田町でこのようなモーメントと遭遇するこになるとは、なかなか粋なものである。
僕はこういう不思議で、ちょっとときめいたような時間がとても好きである。
周りを見回したが、誰も振り向いてこちらを見る人はなかった。僕は、彼女の後ろに立っているので、僕の方から見えるのは、彼女のステップを刻む足元とロングコート、両肩から下がり彼女が腕で抑えるように持っている2つのバック、肩までかかる髪の毛だけ。彼女の顔や表情を伺うことは出来ない。
顔が見えないと、いろいろ想像したり、考え事をしたりする隙間が生まれてくる。(北野武監督もそういえば昔、そんなことを言っていた気がする。)
僕は真剣に彼女のダンスを見ると同時に、おとといの夜、久々に高円寺のクラブライナーというライブハウスで踊ったことと、今こういう出来事と遭遇していることとの間に、なんらかの因果関係や啓示的な側面があるのかどうか?また、彼女の天使的な役割について …などなど考えを巡らせてもいた。
タップダンスが終わり、彼女がスタスタと歩き始めてしまったので、どうしたものかな、と思ったのだが、こういう場合、足早に歩く人の先へ回り込み、顔を眺めるというのは、そうそう自然な感じで出来るものではない。策を練りあぐねているうちに結局、彼女は議員会館口の方から出て行ってしまった。
こういう出来事こそ、フェイスブックにメモとして残しておくのにピッタリの出来事だと個人的に思ったので、夜になってこれを書いてみました。
それでは、みなさんおやすみなさい。
今日の朝、永田町の駅のプラットフォームに降り立ち、読んでいた吉本隆明さんの『詩の力』という本を閉じて、エスカレーターに乗ったとたん、足元でスタタタンッ、と音が鳴ったので前を見ると、黒のロングコートを着て、両肩からピンクと黒のバッグを提げた女性が、目の前でタップダンスをしていた。
永田町駅の国会議事堂方面へ昇るエスカレーターは、だいたい1分ちょっとかかるくらいだと思うのだが、その女性は、乗っている間ずっとタップを続けた。
最初は、ちょっと神経質な感じの音だな、と感じたけれど、だんだんと彼女が集中してゆくのが雰囲気から感じられて、眺めているうちに、この人ちょっとカッコイイな、と思った。
パリのメトロならこういうシーンに出くわすこともあるだろうが、東京の、まさか永田町でこのようなモーメントと遭遇するこになるとは、なかなか粋なものである。
僕はこういう不思議で、ちょっとときめいたような時間がとても好きである。
周りを見回したが、誰も振り向いてこちらを見る人はなかった。僕は、彼女の後ろに立っているので、僕の方から見えるのは、彼女のステップを刻む足元とロングコート、両肩から下がり彼女が腕で抑えるように持っている2つのバック、肩までかかる髪の毛だけ。彼女の顔や表情を伺うことは出来ない。
顔が見えないと、いろいろ想像したり、考え事をしたりする隙間が生まれてくる。(北野武監督もそういえば昔、そんなことを言っていた気がする。)
僕は真剣に彼女のダンスを見ると同時に、おとといの夜、久々に高円寺のクラブライナーというライブハウスで踊ったことと、今こういう出来事と遭遇していることとの間に、なんらかの因果関係や啓示的な側面があるのかどうか?また、彼女の天使的な役割について …などなど考えを巡らせてもいた。
タップダンスが終わり、彼女がスタスタと歩き始めてしまったので、どうしたものかな、と思ったのだが、こういう場合、足早に歩く人の先へ回り込み、顔を眺めるというのは、そうそう自然な感じで出来るものではない。策を練りあぐねているうちに結局、彼女は議員会館口の方から出て行ってしまった。
こういう出来事こそ、フェイスブックにメモとして残しておくのにピッタリの出来事だと個人的に思ったので、夜になってこれを書いてみました。
それでは、みなさんおやすみなさい。